残暑が長引きそうなこの時期、何を編もうか迷います。
相変わらずの暑さだけれど光には秋の気配が含まれ、真夏の色や素材がなんとなく褪せて見えてくる頃。
薄手のウールのセーターを今編み始めれば、朝晩涼しくなったときに準備万端、秋が来るのも一層待ち遠しくなるでしょう。
でもこの暑さでは、秋になったときに自分がどんな服を着たいのかイメージがわきません。やはり、今着たい物を編みたいのです。
そして私が今欲しい、そして持っていないもの。それはTシャツ。
昔からどうもTシャツが似合わずその存在を忘れていましたが、長袖でもノースリーブでもなく半袖の、普通の形のTシャツが急に欲しくなってきました。
でも、今一つ欲しいTシャツが見つからず(あっても、これがTシャツかというお値段)、それなら編んだ方が早いよね、ということで選んだパターンはPetiteKnitさんのPoppy Teeです。
Tシャツ…と思ったときに良さそうな毛糸候補はいくつかあります。まず、Bio Balance。ふんわり軽くて柔らかく、暖かさもあるので秋にも着られるTシャツになりそうです。
オーガニックコットン100%で肌触り抜群のAlbaなら、Tシャツっぽいし間違いなく気持ちいい。
Allinoもシャリシャリしていて気持ち良いTシャツになりそうです。2色混じりの糸なので、シンプルな編み地に調子が加わるのも良さそう。でも、思っていたイメージより、やや厚手になりそうです。
Reborn Denimもきっと合うはず。見るからに、気持ち良いTシャツになってくれそうです。
…と迷っているときに思い出した、Summer in Kashmir。
この糸は、Albaと似ていて存在を忘れられがちなのですが、コットン100%のAlbaに対し、10%のカシミヤが加わったSummer in Kashmirは、その分ややしっとりしています。
元気度100%のコットンより、若干元気さ控えめなのが、真夏ではない残暑の光にしっくり来るのでは。
Poppy Teeの見本のような真っ赤もかわいいけれど、欲しいのは「普通のTシャツ」なので、紺色を選びました。紺色ですが、このプルシアンブルーは、どことなく紫味を帯びて桔梗や竜胆を思わせる涼しげな紺です。
久しぶりにSummer in Kashmir を編んでみて、改めて気づいたこと。
この糸、とっても編みやすいです!
糸割れしないし、目がきりりと揃います。つるつるしていないのでいい感じに摩擦が効きますし、かと言って滑りも良く、針が軽快に動きます。
コットンやリネンの夏糸は苦手という方も、この糸は編みやすいのではないかと思います。
Poppy Teeはトップダウンの編み方ですが、写真ではセットインスリーブに見えるので、どうやって編むのか楽しみにしていました。
そして編んでわかった、こうやるのか!と。
3方向に分かれた編み目にうっとり。ずっと見ていても飽きない眺め。
私には初めての肩の作り方で新鮮でした。
どんな編み方か気になる方は、ぜひ夏の終わりのTシャツに挑戦してみてくださいね。